第10回 人が買い物をした時に感じる「感情の階段」って?

販促けんきゅう会

「今日のお客さまは喜んでくれたかな?」と毎日気になるSSのみなさん、こんにちは!

前回の「人は何故買い物をするのか」という話に続いて、買い物をした後の「感情の階段」のお話をしたいと思います。

人には必ず、買い物をした後に何かしらの感情を抱きます。
私たち販売する側は、「買った後にお客さまはどんな感情で帰るのか」ということに意識する必要があるのです。

感情が生まれる買い物・生まれない買い物

人が買い物をする時には、必ず何かの感情が生まれます。
ここでは、感情が生まれないことも含めて「感情がある」と考えて下さい。

感情が生まれない「当たり前」の買い物

例えば、自動販売機でジュースやコーヒーを買う時のことを考えてみましょう。
お金を入れて飲み物が出てきても、私たちは「早く飲みたい」と思うだけで、飲み物を買えたこと自体については、特に何も感じないと思います。

また、電車・バスに乗るために切符を買い、改札を通ってどこかに行く時も、改札を通れること自体に「満足」「後悔」と言った感情は無く、「目的地までちゃんと到達できるか」、「電車に遅れず乗らなければ」、そのようなことを考えるでしょう。

これは、自動販売機にお金を入れたらジュースが出てくること、切符を買ったら電車に乗れることが、私たちにとって「当たり前」のことだからです。
この、「当たり前」という、何も感情が生まれないという感情を基準点として、これからお話をしていきます。

同じように、ガソリンを買うという行為も、お客さまにとっては、「当たり前」の買い物です。
ガソリンは法律で厳しく管理されているため、どこのガソリンスタンドでも品質は同じ。
ですから、給油という買い物自体に対して、「満足」、「感謝」、もしくは「後悔」と言ったような感情はほとんど生まれないのです。

それでは、この「当たり前」という何も感情が生まれないところを基準点として、これからお話をしていきます。

感情の階段

プラスの感情

上に、感情を階段状に表した図がありますが、ここで基準点になるのは、先程お話しした「当たり前」という感情です。
この階段を上にのぼって行くと、1つ上に「満足」、さらに上に行くと、「感動」「感激」と言った感情があります。

「感激」は、「お店側が誕生日を覚えていて、プレゼントをくれた」、「お店に忘れ物をしてきたけれど、きちんと取っておいてくれた」など、そのお店に行って良かったという感情です。

「感動」は、アイドルのコンサートや、ワールドカップなどの感動的なゲームを観て、高いチケット代や何時間という時間を使ったのにも関わらず、「感激」を更に超える時には涙してしまうほどの感情です。

これらは、お客さまはお金を払っているにも関わらず、買ったお店やスタッフに感謝すらしたくなるような感情と言えます。

マイナスの感情

ジュースや切符の例のような、「当たり前」の感情の下には、「不満」「怒り」「諦め」と言ったネガティブな感情の階段があります。

例えば、最終的に買いはしたけれども、商品に「不満」を感じながらレジでお金を払うことがあると思います。

また、商品自体に不満は無くても、ひどい行き違いがあったり、何度も同じ様な間違いをされたりすれば、「お金を払っているのに」と「怒り」がわくでしょう。
もしくは、買い物とは直接関係なく、何か別の理由でむしゃくしゃしていた場合も、「怒り」が爆発することがあるのではないでしょうか。

そのようなことが重なると、ついには「この店で買った自分が間違っていた」という「諦め」の感情がわきます。
こうなってしまうと、お客さまはそのお店で二度と買い物をしないのです。

ですから、今日の売り上げや、目の前のお客様がお金を払っている行為そのものよりも、そのお客様がどんな気持ちで帰ったかということが、とても大切です。
商品やサービスに対して、「不満」や「怒り」の感情を持たせてしまうことは論外ですが、「当たり前」の感情しかお客さまが持たなかった場合、売上はなかなか上がらないのです。
「当たり前」から「満足」、「満足」から「感謝」へ繋げることができると、お客さまはまたお店に来てくれるでしょう。

ガソリン=当たり前で終わらせない

ガソリンは「当たり前」の感情しか生まれない商品ですから、給油という行為自体が「満足」、「感謝」に繋がることはありません。
しかし、「当たり前」の商品を売る場合であっても、接客によって「このお店で買って良かった」という満足感を持ってもらうことは可能です。

〈図6〉

例えば、元気な挨拶・お礼の言葉・素敵な笑顔・接客中のさりげない気遣いなどによって、「満足」、「感謝」の感情を引き出し、油外製品の購入に繋げましょう。
給油やオイル交換の作業をただやるだけでは、お客さまにとっては「当たり前」のことであるため、印象に残らないのです。

当たり前のレベルが高いからこそ目立つチャンス

冒頭で、販売機や改札の話をしましたが、今の日本は世界的に見ても、この「当たり前」のレベルが非常に高い国です。

「電車が時間通りに来る」、「公衆トイレにシャワー付き便座がある」と言った環境の中で、「満足」、「感謝」の感情を引き出すことは、とても大変なことだと思います。
しかし、「当たり前」のレベルが高いからこそ、そこにもうワンアクションを加えれば、他のお店より目立つこともできると言えるでしょう。

ガソリンを入れた後に何も言わず、そのままお店を出るお客さまも珍しくありません。
それでも、笑顔で元気な挨拶を心がけ、お礼をきちんと伝えることによって、お客さまに「ここで給油してよかったな」と感じて帰ってもらえるのです。

まとめ

  • ガソリン自体は、感情が生まれない商品である(「当たり前」の商品である)
  • また来てもらうため・より大きな商品を買ってもらうためには、「当たり前」を「満足」、「感謝」のレベルに持っていくことが必要
  • 接客の時の気遣い・笑顔・挨拶によって、お客さまに「満足」、「感謝」の気持ちを引き出し、良い印象を持ってもらう

お客さまの買い物の積み重ねが売上ですから、ひとりひとりのお客さまに対して丁寧な接客をし、また来たい・買いたいと思ってもらうことがとても大切です。