鈑金と板金の違いはご存知ですか?
このふたつ、意味に違いはありません。
ただし、「鈑」は常用漢字ではないので、公文書では「板金」が使われています。
ただ、金属っぽいニュアンスにこだわる車屋さんは「鈑金」を使う傾向にあります。
さて、鈑金とはへこんだり傷ついた車のボディを元の状態に戻すこと。
へこみを直す施工は主に3種類。
外板板金、フレーム修正、パネル取替です。
外板板金とは、外板の内側にハンマーを当てたり溶接機を使って、元の形状に戻すこと。
フレーム修正とは、外板だけでなく、内側の骨格まで歪んでしまった時に特殊な機械を使って修理すること。
パネル取替はパネル自体を交換することで、損傷が激しい場合はもちろん、修理するより交換したほうが安いという場合にも行われます。
へこみ直しの際には同時に塗装も行われます。
外板の色に合わせ、吹付塗装を行い現状復帰をしていきます。
ひっかき傷、すり傷などの傷は、サビの原因になるので早めの補修をおすすめしたいところ。
車のボディ塗装は見た目だけのものでなく、防錆加工がなされているということを知らない人は大変多いです。
サビは目に見えない塗装の内側で進行するため、気づかぬうちに傷の周囲まで広がっている……この事実を初めて聞く多くの人がハッとするのではないでしょうか。
そう思えば、小さなキズでもプロのクオリティに任せたいところ。
身体の傷と同じ、正しい治療で痕を残さないようにしたいですね。
ちなみに、鈑金施工は年々減少傾向にあるそうです。
・自動ブレーキ等、安全装備搭載車が増えた
・バックカメラや、車の周りを映すカメラが当たり前になってきた
・自動車保険の改定があってから、保険使う人減った
・若年層の車購入が減った
・細かいキズ等を気にしなくなる高齢者の方も一定数いる
安全に走行できていれば当然問題ないのですが、やはりできてしまった傷・へこみは放っておいてほしくないですよね。
そこで、SSマンのみなさんに引き出しのひとつとして持っておいていただきたいのが、
鈑金は「見た目に気持ちよくなる!」以外にも、「安全運転・事故防止に役立つ!」ということ。
きれいな車は事故率が低いんですよね。
逆に、少しの傷でも一度ついてしまうと「諦め」のような感情が生まれてしまい、少し脇が甘くなるのです。
「こないだ直したばかりだから、もうぶつけないぞ!」の意気込みで運転してほしい、そんな意味でも鈑金施工は積極的におすすめしたいところですね。